地方企業が元気になる方法

日本の人口が毎年約50-60万人ずつ、減少しています。
鳥取県の人口が約56万人だそうですから、今後も毎年このくらいの規模で減少していくでしょう。減少するにつれて、より都市部への人の移動が予想されますから地方でビジネスをしていく上では、益々厳しい環境になっていきます。

ところで、私は、地方企業の事業再生に積極的にかかわるようにしています。地方企業の再生支援や地方企業の譲渡候補があれば、譲受することを前向きに検討します。
上述したように中長期でみれば、人口減少社会は、ますます都心部への流れを加速しますから、地方のマーケットは縮んでいくと考えられます。
しかしながら、それは徐々にであり、現時点ではそこまで中長期で考えなくてもよい地域も存在します。内閣府が「県民経済検査」という統計を発表しています。これによれば県内総生産が増加している地域も散見されます。

https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/kenmin/files/contents/main_h28.html

地方であっても、一定レベルの経済圏を構成している地域でナンバー1(かナンバー2)を取れる事業をみつければ成長の可能性はあるということが推定されます(都市と隣接する地域が狙いどころかもしれません)。

また、地方には非効率的な事業運営をしているところがあり、それが改善できるかどうかを考えてみます。ブランド構築、営業支援など外部機能の積極活用、人事、経理、資金繰りの効率的な方法、早期の資金回収の手法などを投入できるかを見ていきます。都市経済圏では、このような機能を提供する会社が多いのですが、地方では簡単にそのような提供会社を見つけられない地域もあり、従来の方法で事業をしています。このような企業では、外部機能を導入すれば利益の上昇余地はあります。
(業務の効率化を推進することは利益向上の観点からは好ましいのですが、これは機械的に進めればいいというわけではありません。多くはその効果が人的リソースの削減としてあらわれるからです。特に地方では人事的なつながりの濃いケースも多いでしょうから、ある程度雇用を維持しながら会社の運用効率を上げるというバランスが経営者に求められます。)

つまり、①マーケットをしっかりつかめる商品があり、②事業運営/業務管理を効率化していくことで、しっかりやれば、十分地方のマーケットでも成功できるのです。

ところで前述したように地方には、機能提供会社が少ないということもありますがそれだけでなく、特に中小企業にとって支払う報酬が高額になるという問題もあります。
私は、その溝を埋めてくれる可能性が高いのが地域金融機関と税理士だと思います。彼らは、情報の取り方も知っているし、やろうと思えば調整機能を果たすことができます。また、基本的には優秀な方たちなので、一旦手法を覚えれば、活躍されるでしょう。
特に地域金融機関は、その地域内だけで何とかしようとするのではなく、地域外と積極的に連携させることで、企業への有効なお手伝いができると思います。