仕事ができる人と性格がいい人どちらが大事なのか。
経営者にとっては、人事は、いつも悩むところですよね。通常の人事評価時ももちろんそうですが、コロナ禍で何人かお引き取りいただかなくてはいけないときなど、最終的にどのように判断したらいいのだろうか、ということを、私もよく聞かれます。
そこで、「仕事ができる」と「性格がいい」という判断軸で考えてみましょう。もちろんそんなに簡単に決められるか!という声が聞こえてきそうですが、案外、究極はこの二つの選択肢の間のどこかに回答がありそうです(会社のご判断として、仕事ができるとは何か、どんなキャラクターが自社にとって好ましいかなどという基準は、あらかじめ決めておかれたほうが良いかと思います)。
さて、この二つ判断軸をマトリックスにすると、
1.仕事ができて性格もいい
2.仕事はできるが性格はよくない
3.仕事はできないが性格はいい
4.仕事もできなく性格もよくない
という四象限に分けられます。もちろん両者をゼロイチではなく、それぞれ何パーセントくらいあるかなどを考慮してもよいです。
1は、まったく迷わないですよね。逆にこのような人にいてもらうために会社は、何を支援すればいいか、真剣に考えるところですね。
縁故入社などがある特別な事情を除けば、4も迷わないはず。
悩ましいのは、2と3でどちらを優先するべきなのかという場合ではないでしょうか。
会社は、それ相応の機能を提供してもらう場なのだから、結果を出してもらうほうが大事であり、したがって、2を選択します、というのが普通の反応です。いくら性格がよくても利益に貢献してもらわないと意味がないわけで、確かに儲けていただける人にいてもらいたいですよね。
一方で、あまり仕事はできないけどあの人がいると、雰囲気がいいよね、という場合があります。中長期で物事を見れば、3を選択する経営者もいらっしゃるでしょう。
ここからは私見ですが、特に中小企業では、あまり大きな失敗が許されないものです。一つの大きな問題が起きただけでも立ち直れなかったり、後を引いたりする可能性が高いのが中小企業です。
したがって、少しでもマイナス要素の芽が出てきたら、早めにそれを摘むように運営されるべきと思います。
その前提でどちらかを選ぶかについては、次のように考えます。
性格がいいというのは、会社に即効性のあるプラス要素はあまりもたらしてくれないけど、ゼロより下にはならないのですよね。最悪でもゼロ貢献ととらえられます。
一方で性格がよくないと、マイナスのことをする可能性を秘めているのです。悪意があるかないかは別としても、不作為も含めて、なにがしか会社にマイナスの状況を起こしうる可能性が性格のいい人より高いものなのです。マイナス貢献が有りうる。
したがって、常にマイナス要素を少なくして運営していくという観点に立てば、3を選ぶことになります。
実務上は、様々な要素を利益衡量して、決めていくのでしょう。しかし、この判断軸が組織に及ぼす影響は、とても高いものと思います。
思い切って考えないと進まない場合は、上記を参考にしてください。